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文書作成日:2021/09/28
勤続期間中に長期欠勤期間がある場合の退職所得控除額の計算方法

[相談]

 昨年来の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社の売上高はコロナ禍前の30%程度にまで落ち込んでいます。
 この業績悪化を受け、従業員(勤続年数10年)から退職の申し出があり、話し合いの上、退職することとなりました。この従業員には退職金を支給する予定ですが、この従業員は過去に病気療養のため1年間長期欠勤していたことがあります。この場合、所得税法上の退職所得控除額の計算について、その長期欠勤期間は影響するのでしょうか。教えてください。


[回答]

 ご相談の場合、その従業員の長期欠勤期間も勤続年数に含めて退職所得控除額を計算します。


[解説]

1.退職金からの所得税の源泉徴収手続きの概要

 所得税法上、役員や従業員に対して退職金を支払うときには、原則として、所得税(及び復興特別所得税)を源泉徴収して、徴収した月の翌月の10日までに国に納めなければならないことと定められています。

 その源泉徴収税額は、退職者から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けていない場合には、退職金の支給額に一律で20.42%の税率を乗じて計算した金額となります。

 一方で、その申告書の提出を受けている場合には、勤続年数に応じた「退職所得控除額」を退職金支給額から控除したうえで、源泉徴収税額を計算することとなります。

2.退職所得控除額を計算する場合における勤続年数の計算方法

 所得税法上、上記1.の退職所得控除額を計算する場合の勤続年数の計算については、通常、退職手当の支払者の下においてその退職手当の支払の基因となった退職の日まで引き続き勤務した期間(以下「勤続期間」といいます。)によって計算するものと定められています。
 また、勤続期間には、長期欠勤又は休職(他の会社等に勤務するためのものを除きます)の期間も含まれることとして取り扱われています。

 このため、今回のご相談の場合における1年間の長期欠勤期間は、勤続年数(10年)から控除することなく、退職所得控除額を計算することとなります。

(参考)■退職所得控除額の計算の表

勤続年数(=A)退職所得控除額
20年以下40万円×A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円+70万円×(A−20年)

 なお、今回のご相談のケースとは異なりますが、過去に自社を退職した従業員が、他社等での勤務を経て、再び自社に再就職した後に退職した場合(いわゆる「出戻り」をした後に退職した場合)には、最初の就職から最初の退職までの期間について退職金を支給したかどうかや、今回の退職金の支給の計算基礎期間に最初の就職から最初の退職日までの期間を含めるかどうか等により、退職所得控除額の計算が異なります。

 いずれにしろ、退職所得控除額を控除して源泉徴収をする場合には、退職者から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けることを失念しないようにしましょう。

[参考]
所法30、所令69、所基通30-79など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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